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なりたい姿を細分化する、ということ。

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    瀧本です。

    テラスが気持ちいい気温に戻ってきました。
    ・・・・・・・
    私は彼女へ問いました。
    「これからの人生で、あぁ、あんな人になりたいな
    と、憧れる人と過去に出合えて来たか?」

    彼女と久しぶりに会う。
    目をキラキラさせて身を乗り出す彼女は
    私との再会を待ち望んでいてくれたようだ。
    もう少ししたら40代に手がとどく年齢。

    その彼女から驚く答えを聞くことになった。

    「はい!います!」


    誰なの?


    「母親です!」


    約3年の懲役を終え、仮出所前の最終教育。
    罪名は詐欺。
    ニュースを賑わせたので、誰もが記憶にある事件だ。


    親への復讐にも似た感情によって
    引き起こされる事件が多い中、
    彼女は心から母を敬しているいるという。


    「母のような人になりたいです」


    ここから真剣勝負の教育がはじまった。
    彼女の出所後の環境は良い。そう思った。
    「漏らすことなく心で聞きなさい。
    面談中、絶対に集中力を乱さないで。」

    ゴクリと唾をのむように
    ゆっくり頷く彼女は、それでもどこか
    ウキウキしているように見える。


    「あなたがどれほど母のようになりたい、と
    願っても、今のあなたの思考力では
    ハッキリ言って絶対になれないわ」

    彼女の顔から笑みが消える。


    「今から、その素晴らしいお母様になれる方法を
    伝えるから真剣に心の中を見て。いいね?」


    眼差しにキラキラが戻った。
    (なんと素直な子なんだろう)


    お母さんのようになりたいのはなぜ?


    この質問には即答できた。

    「いつも母を慕って沢山の人が集まるからです。
    母はそういう人なんです。」

    人が集まってくる人になりたいってことね?


    「そうです。本当にいつも人が絶えず来るから」


    母のような人になりたい。その理由は
    絶えず人が集まってくるから?
    だからそんな人になりたい?
    無理よそれじゃあ。1日に100万回そう唱えても。


    ここからA4用紙をだして
    「その母のようになる実践項目」と書き
    マニュアル作成を開始しました。

    なぜ母の元に人が集まるのか
    母の元に人が集うのはなぜなのか、どう思う?
    あなたには何が見えていたの?


    沈黙は長かった・・が
    その沈黙を割った彼女の回答に私は希望をみた。

    「あの人はいつも来る人へ
    お腹すいてない?何か食べる?とか
    頑張ってるらしいね?すごいね!とか
    あなたの意見、いいじゃない!とか
    そんな言葉をいつも言っています。」


    それをあなたは見ていたんやね。
    その時のお母さんの表情は、
    いつもどんなんだった?

    「笑顔です」

    そうよね。

    そういいながら、手元の用紙に
    和顔施と加筆した。
    すでに用紙には、身施、言辞施、床座施
    とかいてある。

    先ほど彼女が言った母の行動

    ・お腹すいてない?何か食べる?
    ・頑張ってるらしいね?すごいね!
    ・あなたの意見、いいじゃない!
    が無財の七施に当てはめられるからだ。
    彼女が話している最中にリスト化しておいた。
    これが彼女の今日からの
    「その母のようになる実践項目」である。

    実践するためには思考を
    細分化しておく

    これが肝心。

    「なりたい姿」があるなら「どこにそう感じているか」
    を徹底的に明確化しないと「行動」に移せない。


    ほぅら!できたよ!
    あなたが、そのお母様になれるレシピ!
    これを、まだ数日残っている受刑生活の中で
    実践していきなさい。
    娑婆に出るまでに習慣にしてしまうんやで。


    「それは・・・・難しい・・です」

    理由を聞くと、あまりのも周りの環境が
    怖すぎて、厳しすぎて、それらの言葉に
    心が傷つくから、と言うものだった。

    優先順位を変え、私は、
    外界の言葉によって心に傷がつくカラクリと
    それらによって傷がつかない智慧を
    「母になる実践」の話を中断して伝えると
    彼女は「実践します!」と言ってくれた。
    (※このカラクリと智慧は後日書きますね)

    彼女はポロポロ泣きながら笑顔で言った。

    「先生、私、ここへ入る時に、
    先生と約束をしたこと、ずっと守ってました!」

    それは何?と聞くと


    「反省と後悔を間違えるな、という教えです。
    後悔は何の進化もないけれど、
    正しい反省は人生を変える、ということ。

    私はずっと後悔していましたから。
    でも毎晩考えました。

    反省とは、「反復」して自分の行動を振り返り
    間違っていた箇所を「省く」ことなんだ、と。

    では私は何を省くのか。どれを省くべきなのか。

    先生、私ね、省けました!やりました!」
    満面の笑顔だった。心が熱くなった。
    ・・・・・・・・

    私は教育面談を修了する瞬間が妙に苦手だ。
    まるで撮影現場で監督が「はい!カットーッ」
    というように、今まで入り込んでいた世界を
    突然叩き割られる感覚になるからだ。

    「起立!礼!」
    「ありがとうございました!」

    の号令に合わせ、今まで話し合っていた彼女は
    調教されたソルジャーのように45度の礼をする。

    だからあえて私は退室時に握手をする。
    今日もそうした。

    「〇〇ちゃん、しっかり果たしなさい。
    罪を犯したあなたは、間違いなく罪人。
    道徳をこわした罪を犯した人。けれど
    悪人ではない。悪い人ではないから
    自信を取り戻しなさい。実践しなさい。
    自信を失ったまま人生を歩もうとすると
    必ず、またどこかで歩みを間違えるからね。」

    これはお釈迦さまの言葉を引用したメッセージ。


    私たちは、隙あらば悪いことを考え生き物。

    人にバレないところだと、
    自分の優位になることを無い知恵から絞りだす。
    この根底には「自信の無さ」が潜んでいる。

    自信=自分を信じる

    「自分」とは何か。仏教では
    それはつながっている宇宙そのもののことだ。
    ならば自信がない、とは
    宇宙を信じていない、ということ。

    宇宙とは、共存と調和のエネルギー。
    とするなら「自信がない」という発言は
    それを信じないと断言してしまう行為のこと。

    これはえらいこっちゃ、です。

    人と共存できるわけがない。
    人と調和できるわけがない、となっちゃう。


    その自信を取り戻す方法として
    「無財の七施」を仏教はオススメしています。

    これらの詳しいことは、繰り返し
    私の弟子たちが詳しく書いてくれるでしょう。
    ( ̄▽ ̄)

    長々と書きました。
    締めくくりが悪いけれどこの辺で。
    今夜はクーラー無しで眠れそうな夜風です。

    それではステキな夢を。

    瀧本は
    「人に元気を与えられる人になりたい」がスローガン。

    では「人に元気を与えられる人」とはどんな人??
    細分化してみると
    どんな状況にいても、ヘラヘラと笑顔でいる人、
    と思っています。

    だから、いつもアホみたいにヘラヘラしています。(笑)

    大きな理想を持っているなら、どうか一度それを
    細分化してください、すると、「行動」が見えます。

    ・・・・光静・・・・

    教育室に戻り、レポートを書いていると
    弁護士会のドンと言われる大先生がおられた。
    私を推薦して下さった御方。
    「10年ぶりだねぇ。異色の存在だよ」
    と覚えて下さっていたが、
    研究会に全く出席しない私・・・

    すごーく怒られちゃいました!( ̄― ̄)

    おしょーにん * - * 21:54 * comments(0) * -

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